【線維筋痛症】全身に激しい痛みが起こる慢性疼痛の症状と施術法

 

線維筋痛症とは検査等では明らかな異常は発見されないものの、全身や体の一部に強い痛みが生じる病気です。また、全身又は体の一部の強い痛みだけでなく、睡眠障害やうつ状態等、主症状が要因となって様々な症状が発生すると報告されている重度の全身的慢性疼痛疾患です。

 

 

線維筋痛症とは?

全身もしくは体の一部に強い痛みが生じる病気

線維筋痛症とは、全身や体の一部に強い痛みが生じる、慢性の病気です。
線維筋痛症そのものが命にかかわることはないものの、痛みが続くことから生活に支障が出ることがあります。
最近では女性芸能人が発症を公表したことで、一般的にも認知度が上がりつつある病気のひとつでもあります。
線維筋痛症の詳細な原因や発症のメカニズムは、2020年1月時点で明らかにはされていません。
そのため、病院や治療院等で痛みがある部位を診断してもらっても明らかな異常を見つけることが難しく、原因不明の痛みとして診断されることや他の類似した病気として診断されることが多いことも特徴です。

線維筋痛症の原因とは?

患者様の生活環境等による様々な要因が重なり合って発症すると考えられています。
2020年1月現在、有力な原因として考えられているのが、「脳が痛みの信号を感じる機能の障害」です。
脳には痛みの信号を伝える機能と信号を抑える機能が備わっていますが、何らかの原因でこの機能に障害が生じてしまい、痛みを抑える信号が効かない状態もしくは痛みを伝える機能が強い状態になると、通常では痛みを感じない程度の微力な刺激でも強い痛みを感じることがあります。
また、身体機能の低下していることや無理が重なっていること、仕事や身体の癖などによって筋肉のコリが続いているなどの結果、中枢神経の痛みの回路が変化して痛みを増幅させているのではないかと考えられているようです。

国内の線維筋痛症患者数はどのくらい?

少し前のデータではありますが、2004年に厚生労働省が調査した結果によると約1.7%(200万人)で、2011年のインターネット調査によると約2.1%(220万人)と推計されています。
過去2回の調査はあくまでも本人が線維筋痛症だと認識している方からの回答であると考えられるため、潜在的な線維筋痛症の患者数はもっと多いと考えられます。
また、男性と比較して女性に多く発生することも分かっており、特に喫煙者に発症しやすいといった結論付けられているデータもございます。
引用:2017年 線維筋痛症診療ガイドライン https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0117/G0001049

線維筋痛症の具体的な症状

全身また体の一部の強い痛み

首・肩・背中・腰・おしり・腕・足等の広範囲もしくは一部に慢性的な強い痛みが現れます。
各部位の痛みの強さは人によって異なることが多く、「体の中で火薬が爆発するような痛み」や「万力で締め付けられるよな痛み」、「キリで刺されたような痛み」、「ガラスの破片が(体の中を)流れるような痛み」等、様々報告されています。
痛みの箇所は人によって変化するケースもあり、同じ部位が継続的に痛む方や日によって痛み部位が変化していく人、断続的に痛みを感じる人もいます。
また、毎日痛みを感じる方もいれば、季節や天候によって痛みの程度が変化するという方もいるため、本人が病気だと認識することが遅れることも考えられます。
線維筋痛症は重症化する日常生活に大きな支障が生じ、場合によっては自力での生活が困難になるケースもあります。

疲労感や倦怠感

全身または体の一部の強い痛みに加えて、疲労感や倦怠感も伴うケースもあります。
痛みだけなら日常生活を支障なく過ごせる方でも、疲労感・倦怠感の症状が発生すると一日中寝ていないとつらいや少し動いたら休まなければならない等、重度になると日常生活に大きな支障を来たす場合もあります。

主症状に伴う症状

強い痛みで睡眠が妨げられることや睡眠が浅くなり、少しの物音でも目が覚めることがあります。
このような睡眠障害の症状を発症すると、朝起きた時に爽快感を得られなくなり、疲労も取れにくくなってしまいます。それにより日中にイライラすることも多くなり、痛みを強く感じる原因にもなります。
また、線維筋痛症のつらさは他人には理解されにくいため、周囲からは怠けていると思われることも多く、ひどい痛みに悩まされることと重なってネガティブな思考が強くなり、うつ状態になってしまうケースも報告されています。

その他症状

・むずむず脚症候群:夕方から入眠時にかけて、下肢にムズムズする不快な異常感覚が生じます。
・刺激に対する感受性の増大:音や光、熱、冷気、におい、圧迫などの刺激に対して敏感になります。
・記憶力や認知機能の障害:認知機能、認知の柔軟性、記憶力、集中力、作業効率、判断力などの低下します。
・乾燥症状:目や口の渇きなどが生じます。
・関節可動域の増大:女性の患者様に多いです。
・消化器症状や排便の異常:ゲップや胃酸の逆流、腹部膨満感、嘔吐、下痢、便秘、過敏性腸症候群が見られます。
・排尿の異常:頻尿や尿意切迫感、膀胱周囲に痛みが生じます。
・アレルギー:喘息や花粉症、化学物質過敏症、シックハウス症候群が生じます。
・精神状態:うつ病や不安障害、無感情症が生じます。
・運動機能の異常:バランス能力が悪く、歩行機能及び筋力が低下します。
・神経学的異常:手足の腱反射が亢進することや病的反射が見られます。
・手足のむくみ:実際にはむくみはないのに、むくんだ感じを訴えることがあります。

線維筋痛症の一般的な診断方法と治療方法

線維筋痛症は診断方法

線維筋痛症は、検査では特別な異常がないのが特徴で、他の病気とは異なり、尿・血液検査、画像検査などにような従来の方法で異常が見つかることはありません。(初期症状の時には類似する病気と区別するために検査を行うケースもあります)
そのため、線維筋痛症の診断方法として、主症状である痛みの範囲と強さで診断していきます。
また、最近では、米国リウマチ学会の線維筋痛症分類基準(1990)や線維筋痛症予備診断基準(2010)が用いられることがあります。

線維筋痛症の治療方法

現在は線維筋痛症を根本的に治す方法はなく、特効薬もないため、少しでも症状を和らげられるような方法を専門医と共に探して試していくことが大切です。

薬物療法

今まで使用されていた非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)などは効果が認められないケースがあり、現在では、線維筋痛症の痛みに適応がある抗うつ薬や抗てんかん薬といった薬物が軽減に効果があるとして、使用されています。また、場合によっては抗うつ薬や抗てんかん薬を併用するケースもあります。

運動療法

線維筋痛症は運動療法が一定の効果があるとの結果が報告されています。
定期的な運動は血行が改善し、筋肉の代謝が促されます。
効果的な運動は様々あり、ストレッチや腹式呼吸、太極拳、そして、ヨーロッパのリウマチ学会ガイドライン(2016)では、ヨガや気功といった瞑想運動が強い痛みを和らげる効果があると発表しています。

認知行動療法

患者様の痛みに関する誤った認識や理解を改善させる「認知療法」と日常生活の正しい行動を学習させる「行動療法」を組み合わせた治療法です。
認知療法では、「楽しい時間を過ごしている時は痛みを忘れることができた」など、「今まで痛みが原因でできなかった」ではなく、「痛みがあってもできることはある」といった気持ちに目を向けていきながら症状緩和を目指します。
また、「行動療法」は、患者様ができる運動から徐々に始めて、少しずつ運動量を増やしていきます。全ての運動が痛みに繋がるのではなく、運動の質と量によっては痛みを感じることなく、運動を継続できますので、医師と現状を共有しながら、無理なく進めていくことが大切です。

野中鍼灸院による線維筋痛症の検査と施術方法

カウンセリング方法

線維筋痛症の症状は、全身また体の一部の強い痛みを中心に患者様によって多岐に渡りますので、カウンセリングはとても重要です。
特に線維筋痛症はリウマチと診断されるケースもあり、リウマチを緩和するための施術を行っても一向に良くなることはありません。
野中鍼灸院では、前述の症状がみられる場合には、よりカウンセリングに時間をかけて丁寧に患者様のお話を伺っています。特に線維筋痛症の症状がみられる場合は女性の患者様が多いですが、女性の鍼灸師が対応していますので、安心してお悩みをお話しいただいております。
また、線維筋痛症とどのように向き合っていくべきか、身体的なアドバイスだけでなく、精神的なフォローも施術を通してお話しさせていただいております。

施術方法

線維筋痛症に対しては鍼、灸、食事法を行っております。

鍼灸による施術

鍼灸による施術では、圧痛点部に対して、鍼による刺鍼または灸をすえて、痛み以外の症状に対しては患者様の訴える症状に合わせた経絡に施術をします。

食事法の提案

線維筋痛症は、有害な物質が痛みの原因になっていることが多いと考えられております。そのため、野中鍼灸院で提案している食事法はデトックスをメインに行い、体内に溜まった有害な物質を排出させます。そして、鍼や灸による施術と食事法を組み合わせることで、症状緩和を図っております。

まとめ

線維筋痛症は、現代医学では明確な原因は究明できておりません。そのため、治療法も確立されていない難病です。そして、つらい症状に加えてどのような治療法が症状を緩和してくれるか分からないことから、心身共に大きな負担となる病気のため、周囲の理解やサポートが必要です。
野中鍼灸院では、つらい症状としっかり向き合って、症状緩和を共に目指していくために患者様との会話にしっかりと時間をかけて、いつでも気軽に相談いただける体制を整えております。